フリーペーパー「in」
2年ほど前に、当ギャラリーで展示してくださった断面展の参加作家さんたちも参画している、多摩美術大学統合デザイン学科の有志制作のフリーペーパー「in」に広告を出してくれないかというメールが届いたことがありました。添付してあった「in」の企画書をみたらなかなかしっかりした内容、しかも次が7号なので、長く続けて発行しているようで、「へー、頑張ってるな」という感想でした。
そのときは協力できなかったのですが、いつか何かできればいいなーと思っていました。このたび、少しだけなら協力できるかもと思い、「断面展」参加の学生さんに仲立ちをお願いし、「in」編集部にほんのわずかながら支援をさせていただきました。
そうしたら、編集スタッフがフリーペーパー「in」をわざわざギャラリーまで届けてくださいました。
マットな質感のフリーペーパーの、今号のテーマは「街」。学生さんらしい若い視線が新鮮です。おしゃれなデザインで、ところどころにロゴが宝探しのように隠れているのも面白いです。冊子としてはまだまだ工夫の余地があるかなと感じさせるところがまだのびしろがありそうで、そこがまたいいなーと感じました。
「in」とは「integrate(統合)」の略だそうで、こんなところにもこだわりを感じます。Webだけのフリーペーパーにするという話もあるらしいですが、紙派のアナログな私としては、是非紙媒体も残して欲しいと心から思います。
来てくださった学生さんと、「in」から離れて、少し他の話もしました。今の大学の授業はオンラインで、講評もデジタルで提出するという状態らしく、何よりも他の人が何をやっているのかが全く見えないのが不安とのことでした。美大はとくにそうかもしれませんが、やはり実際にいろいろな人やものに触れるのって大切なんだなぁと、これはギャラリーの存在意義にも通じるものではないかと感じました。コロナ禍の中、これからのギャラリーってどうなるんだろうという不安はありましたが、もう少し頑張ろうという気になってきました。
たわいのない雑談であっても、世代の違う人からの話って貴重だなと改めて感じた日でした。ありがとうございました。